挫折と努力を知ってる人に観て欲しい映画『BLUE/ブルー』
誰よりもボクシングを愛する瓜田は、どれだけ努力しても負け続き。一方、ライバルで後輩の小川は抜群の才能とセンスで日本チャンピオン目前、瓜田の幼馴染の千佳とも結婚を控えていた。千佳は瓜田にとって初恋の人であり、この世界へ導いてくれた人。強さも、恋も、瓜田が欲しい物は全部小川が手に入れた。それでも瓜田はひたむきに努力し夢へ挑戦し続ける。しかし、ある出来事をきっかけに、瓜田は抱え続けてきた想いを二人の前で吐き出し、彼らの関係が変わり始めるー。
ドラマ性よりも等身大のリアルさが勝るボクシング映画です。
だから、ボクシングのシーンは圧倒されます(本物の試合をみているような臨場感とテンポに飲み込まれます)。
それ以上に飲み込まれるのが俳優の芝居力。
まず何と言ってもカッコイイのが、物腰が柔らかい瓜田(松山ケンイチ)。
ボクシング自体では勝てずになかなか報われず、周りからいろいろ言われても笑顔で許して、負けて悔しいという本音を隠しながら闘い続けてます。
この闘い続ける熱量がカッコよく、不器用ながらも努力し続ける人間への賛美を感じさせます。
あと、瓜田のアンニュイな表情やたたずまいがどことなくセクシーで同性ながらドキッとさせられるし、セリフがなくても背中で物語る芝居とはこういうことなのか・・・とわかります(松山ケンイチは本当に芝居がウマい!)。
さらに、コメディリリーフの樽崎(柄本時生)は最初、気になる女子を振り向かせたい不純な動機でボクシングを始めるけど次第に覚悟を持って努力を重ねる姿にはつい涙を誘われます(最後の試合のシーンは感動!誰かの想いを背負って闘う姿は本当にカッコイイです)。
もう一人のボクサーの小川(東出昌大)ですが、少しクズなところが役者の現実とハマってました(笑
勝つことが全ての世界では仲間もライバルですし、それぞれが守ろうとするものがときには障害になるものです。
だから、残酷だけど見終わった時には爽快感もあって、とても心地のいい作品でした。
ちなみに、この映画のタイトル『BLUE/ブルー』は「青コーナー=挑戦者」という意味(この映画のラストシーンでこのタイトルの”ブルー”が際立ちます)。
その一方、温度が最も高い時の炎の色は「青」です。
(炎も温度が高くなるにつれて、赤→白→黄→青と変化していくと小学校の理科で習いましたよね?)
周りからの侮辱も、ライバルへの嫉妬も、自分自身の不甲斐なさも、何もかも焼き尽くして浄化させてくれるような青色の炎・・・
そんな意図もあるんじゃないか?と思いました
アナタは何かに挑戦してます?
本当にカッコイイとは何かを考えさせてくれる、映画『BLUE/ブルー』はU-NEXTで独占配信されてます。
最後に主題歌「きーぷ、ウォーキング!!」の「BLUE/ブルー」バージョンです。
映画の雰囲気をしっかり伝えてくれてます。